2014-04-01から1ヶ月間の記事一覧

三つ編み少女と白い女の子

彼女のいるベンチは木の茂みで半ば隠されて、わたしと彼女はお互いを確かなものだとは感じてはいない。木の葉が揺らいでお互いの姿を完全に隠してしまうたびに、その存在が途切れてしまう。そんな想像が案外と楽しかった。シュレーディンガーの猫のようで。 …

王道の恋愛ストーリー

もう緑が混じる散りかけの葉桜を見て、雨の日の濡れた桜のつぼみを思い出すのは変なことだろうか。隣を歩く彼にそう言うと、変な顔をされるだろうか。変な想像をされるかもしれない。そう思うと、喉の奥が小さく笑みの音を立てた。濡れた桜のつぼみは、個人…